ジビエって臭い?肉質の評価が分かれる理由
ジビエ肉って臭いのか?
ジビエブームがある裏で、ジビエを嫌って食べたがらない人が存在します。
以前に猟師からジビエ肉をお裾分けしてもらって食べた経験があり、その時に「臭かった」という経験が元になっている事が大半です。先に結論から言うと、適正に処理されたジビエ肉に臭みはありません。
匂いには人それぞれ好みがありますが、一般的に「臭い!」と言われる匂いは腐敗臭を指します。腐敗臭は腐敗菌が増殖する事で発生する匂いです。種類によって時間は異なりますが有機物である以上は腐敗は避けられません。なので腐敗する前に食べる必要があり、美味しく頂く為には口に運ばれるまで、腐敗の進行を遅らせる必要があります。
ご存知の通り市販されている家畜のお肉も常温で置いておくと早く腐ります。冷蔵庫に入れておいても賞味期限を過ぎていけばやがて腐ります。ただ買った時点で腐っている事はまずありません。これは販売用は一定基準の鮮度を保つように法律で決められているからで、いわゆるプロからお金を出して買っているので問題が起こるはずがありません。(問題があればニュースになります・・・。)
ジビエ肉を販売する為には法律をクリアする必要があり、その基準は家畜以上に厳しいものです。ハンターが獲って食べるジビエ肉は基本「自家消費用」とされています。趣味として自分達で食べるだけなのでいわゆる「アマチュア」という事です。
アマチュアが自分達の為に獲っただけなので、品質管理はされていない事もあります。なので渡されたお肉がその時点で腐敗臭がしている、もしくは腐敗臭がもうすぐ始まる状態かもしれません。「臭かった」という経験をお持ちの方の多くは、レベルが低いか性格の悪いハンターにあたってこういったお肉を食べたという悲しい経験の持ち主という事になります。
そもそも腐るってどういう事?
腐敗菌がお肉が持つタンパク質やアミノ酸をアンモニアや硫化水素に変えて行く事で臭いが発生して腐って行きます。
血液は停滞すると最初に腐敗していく為、お肉に血液をなるべく残さないよう血抜きが重要です。20℃を上回ると腐敗菌は活発化していく為、温度はできるだけ低い状態で保ち、温度が高い状態をどれだけ短くできるかが大事になってきます。
腐った状態は臭いと粘り気や変色などでも判断でき、結局はこの感覚が官能試験といって重要な判断材料なのですが、自分達の無添加ペットフードを作る際にはカビ・酵母、一般細菌数、水分活性という理化学的な指標も基準としています。水分活性が低い状態を保ち、カビ・酵母・一般細菌数がいかに少ないか?という事で、これは動物も人基準でやっています。
なぜジビエ肉が腐るのか?
どのような原因で腐るのか?を段階毎に解説していこうと思います。
・捕獲~止め刺し・血抜き
野生動物は40℃前後の体温の状態で捕獲され、死に至ります。ここからが腐るまでのカウントダウンとなります。
(捕獲を確認した時にすでに死んでいたという事もあります。死んでいる場合は心臓が止まって血抜きができないので腐敗の進行が早い為、すでに食用には向かない場合が多いです。)
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・運搬
解体できる場所まで運搬する必要があり、ジビエは1時間以内に処理施設への搬入が望ましいです。
(山奥で捕った場合には引っ張るのに時間がかかったり、グループで狩猟する場合は数頭獲る為、1頭獲れてもそのまま続行する事もあります。解体処理施設が遠い場合や、もろもろの都合ですぐに運搬出来ない場合などもあります)
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・腹出し
解体場へ持ち運んだ後、内臓を出します。ここまで行えば、冷却が可能となりカウントダウンは一時回避されます。
理想としては止めさしから腹出しまでは2時間以内で行えればという所です。
(皮のある表面からは熱が逃げにくい為、内臓を摘出して体内の温度を下げる必要があります。冷却の方法は内臓が入っていた所に氷を入れて内部から冷却すると効果的です。)具体的にはこんな感じで事前にペットボトルの水を凍らせてあります。
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・皮剥ぎ
皮剥ぎは腹出しの前に行う場合もあれば、剥がずに湯引き(お湯をかけて毛を引っ張りぬく)という方法もあり、個々で解体方法が変わって来るので、どのタイミングで皮を剥ぐかはさほど重要ではありません。皮剥ぎは慣れてる人とそうでない人ではスピードがかなり変わります。夏場などの気温の高い場所で時間がかかると予想される時は一度冷却した方がいい場合もあります。
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・精肉(オオバラシ)
まだこの段階では内臓と抜いて皮を剥いだだけなので、1頭そのまま、頭も付いています。それを上図のように部位ごとに切り分けていきます。プロは真ん中からノコギリで真っ二つ(枝肉と言われる状態)にしてプレハブ冷蔵庫にこのまま吊るしたります。(血抜きと熟成)
ハンターは美味いか不味いが分かっている
以上が赤文字が特に腐る(臭いが出る)事が予想される原因です。負傷した部分は筋肉に血が回っているのでトリミングしますが、この段階で少しでも臭い場合は食べたら臭いです。精肉している段階で扱っている人は臭いのが分かっている為、常識のある人はこれを他人にお裾分けしようとは思いません。どこの処理方法が悪くてこの肉に腐敗臭が出ているのかをハンターは分かっているからです。それか臭いに慣れすぎて気になっていないかのどちらかでしょう・・・。キャンプで自分が作ったご飯が美味しいように、自分が捕獲した獲物には愛情がのって美味しく感じてしまうというのもあります。
どちらにしても経験が浅いか、肉について分かっていないか、ただ威張りたいだけなのか、という単純な原因でジビエに罪は全くありません。ペットフードでも4Dミールが問題になっているのに、人に4Dミールを与えるのは考えられません。(4Dミールについては☛無添加ペットフードがつくる飼い主との関係性)
美味しいのは自分が食べて、不味いのは人にやろう!と言ったハンターも過去にいました・・・。
臭かった肉を食べれば舌は記憶してトラウマになります。ジビエ臭い!となってイメージを下げないよう、専門性を高め、お下劣ハンターは絶滅する事を願っています。
関連情報
ハンターが作るジビエ肉のペットフード|faveur(ファブール)
ジビエ肉のペットフード専門店「FAVeUR!」では、大分県内でオーナーが自ら狩猟によって捕獲した命を無駄なく頂く為に、
解体・精肉・製造・販売を一環し、狩猟の持つ純粋さを伝える為、「シンプルで丁寧に無理なく」をモットーに運営しています。
栄養価が高くヘルシーな究極の無添加ペットフードを、ぜひお試しください。
屋号 | カミタケ商店 |
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