イノシシ脂って実は体に良い。

 

 

地球上の動物は住む場所によって体の機能を変化させて、生きる為に体温を維持しようとします。その中でも熱い場所よりも寒い場所の方が体温を保つのが難しいので、生存する為に進化した動物の数は少ないです。動物はその種類や住んでいる場所によって身体的な特徴を変化させて環境に順応してきました。人間が気温によって衣服を変えるのと同じように、体毛が生え変わる動物がいれば、体に脂肪を蓄えて寒い時期を迎えたりします。

 

一時的な体温上昇を下げる為にある特徴や行動もあります。人間では発汗する事で体温上昇を防ぎますが、犬は発汗しませんが、呼吸器官に温度を調整する器官が集まっていて、「ハァ、ハァ」という特徴的な息使いで体温上昇を防いでいます。イノシシは泥浴びをする事で、虫予防や一時的な体温上昇を防いだりしています。

 

様々な行動や特徴がありますが、今回はイノシシのもつ大きな特徴の一つである脂の量について解説しようかと思います。

 

 

そもそもイノシシ脂って、何？

 

太らないようにカロリーを控えると言われて脂って嫌われがちですが、なくてはならない存在です。

 

身体に蓄えられ、必要に応じて分解されエネルギーになるエネルギー源として体温の調節や、働く力となります。少量の脂質で多くのエネルギーを得ることができます。細胞膜や脳神経組織をつくる材料となってホルモンの材料になる。

不足すると発育の妨げとなり、体温を保つ熱や、活動する力も弱まり、身体の消耗が激しくなります。また、脳も脂質（コレステロール）でできているため、コレステロールが低い方にうつ病が多いなどの報告もされています。

 

冬場の大きなイノシシにはこれでもか！！というぐらい脂が乗っています。見た目的には「太りそう…」と思われがちですが、以前照会させて頂いた通り低カロリーで高タンパクです☞ジビエが体に良いって本当？無添加ペットフードが選ばれる理由

 

バラの部位の写真ですが、表面の2～3ｍｍの所が皮になるのでそこから赤い肉部分までが脂と言われます。これでも普通ぐらいなので、個体差や部位でこの２～３倍は脂身が厚いなんてこともありますが、この脂身にはコラーゲンが多く含まれ、必須アミノ酸のスレオニンが多く入っていて、このスレオニンはコラーゲンの材料になるとも言われています。

 

猟で獲れたご褒美として猟犬用にと大鍋でこの脂たっぷりお肉を煮込んだりすると脂とは別に水がゼラチン状態になったりします。

 

この脂身は個体差はありますが食べると甘味があります。臭みのない脂の美味しいイノシシを食べると、安いお肉が味が薄く感じたり臭く感じるようになったりするほど違います。

 

 

イノシシ脂は肌にも良い！

 

中国では昔から民間療法として使われていたというイノシシ脂。火傷や切り傷、踵などの保湿に効果があるとされて、ハンターの中でも愛用され、その効能を裏付けるように化粧品業界からも注目が集まっています。

販売先の一つです。私とは一切関係はありません☞TAON

 

これまで動物性油脂の化粧品には「馬油」が良いとされて来ましたが、近年ではイノシシ脂のほうがより人に近いと発見されました。脂肪酸のなかで細胞膜をつくるのに欠かせないのが不飽和脂肪酸です。その中で皮膚を柔らかくするオレイン酸や保湿・抗炎症などの作用があるリノール酸、その他成分の割合が人とほぼ一致しています。成分が近いという事は浸透力が優れて刺激も少ないという事で、しかもシカの脂は融点が４５℃以上に対し、イノシシは３０℃未満で溶け出すので人肌に塗るとすぐ馴染みます。

 

食べても良いのに塗っても良い！我が家でもオーブンで抽出してアロマオイルを混ぜた猪脂をハンドクリームや軟膏にしています。

 

冬場は食べたり作ったりと自家消費の為にする仕事(たのしみ)が増えるのです。