ジビエ肉を美味しくずっと食べる|獲ったお肉の保管方法
ジビエ肉の保存を考える。
有害鳥獣駆除と狩猟を通して1年中、イノシシ・シカを獲る事が可能な世の中となりました。
私もそうだったのですが、最初は簡単に獲れません。獲れなくて辞めていく人も少なくないので、保存を考え始めるとなると自家消費では間に合わなくなってハンターとしては捕獲頭数も上がって来て、いわゆる中級者になって来ているかと思います。
もちろんそれ以外の人もいるかと思うので、珍しくジビエ肉をもらったけど量が多い・・・という人も参考にして下さい。
ジビエは獲れたにしろ、もらったにしろ、獲ったのは昨日か今日という場合が多いので、その場合は熟成を考える必要があるので、ジビエ肉の熟成については前回記事を参照下さい ☛ ジビエ肉の旨味を引き出す。間違いやすい鮮度と熟成の違い
余ったお肉は冷凍保存しておきましょう。
熟成が終わればどのような形状で冷凍するか?が大事です。凍ったお肉は半解凍まで解凍しないと包丁などでは硬くて切れません。
室温によりますが、解凍するに夏場では半日、冬場では一日かかり、大きいまま冷凍されていると、外はドロドロなのに中はなかなか溶けなかったりします。事前に1食分に小分けしたり食べるサイズを想像して形状を整えて冷凍すると良いです。
自分の経験ではドカーンと大きな凍ったお肉を知人に分けても、もらった奥さんが結構迷惑だったりします・・・。
他人にやるにも自分で食べるにも、後の事を少しだけ考えておくと後で随分手間が違います。冷凍するお肉はラップに包んで、冷凍焼けしないように新聞紙で包むのがお勧めです。このような感じですね。私は新聞紙で包むのは急速冷凍の後でストッカーで保存する時にしてます。
急速冷凍と緩慢凍結
水が氷になる時は体積が増える事はご存知だと思いますが、氷の結晶を大きくするか小さく抑えるかは急速冷凍か緩慢凍結かで決まります。つまり、最大氷結晶生成帯と言われる0℃~ー7℃までをいかに早く通過させるかという事です。氷の結晶が大きくなってしまうと肉の細胞繊維を破壊し、解凍した時にドリップとして旨味が流れてしまいます。プロの場合は急速冷凍機やアルコール凍結機、超低温冷凍庫などの設備を使用しますが、家庭でも冷凍庫で代用が可能です。ここは最適な記事があるので引用します。
■ご家庭の場合 アルミのトレーを使います!
◇肉の包装形態 なるべく平らに表面積を大きく
トレーでのパックの状態での凍結はさけたいものです。緩慢凍結になってしまいます。
パックの中に空気が入っていることにより温度伝達が悪くなりますし、トレーの材質により温度が遮断されてしまいます。
できるだけ空気が入らない状態で肉だけをパックしましょう。冷凍保存用のジップ式袋を利用すると便利です。
またなるべく凍りやすいように、薄く平らにのばすのがコツです。
◇冷凍室に入れる前に 十分に冷却をする
パーシャル室などを利用して、肉の温度をマイナス1度に近づけておくことが大切です。肉の温度を凍結温度に近づけておくことによって、凍結までの時間が短縮されます。
◇冷凍庫の工夫 アルミのトレーを使う
次にアルミニウムのトレーを十分に冷凍庫に入れて冷やしておきます。アルミニウムは、ステンレスの約14倍の熱伝導率に優れていますので肉の温度を急速に奪ってくれます。先ほどの薄くのばした肉をアルミのトレーに置きます。
◇冷凍庫の工夫 霜取りをする
また当然のことですが、霜取りをしている時に入れるのは好ましくありません。強制的に霜取りをして、よく冷えるようになってから、冷凍庫の温度を最低にセットして冷凍することをおすすめします。
※アルミニウムは、ステンレスの約14倍の熱伝導率に優れていますので肉の温度を急速に奪います。その後も冷気を効率よく肉に伝えることができるのです。
上の引用分は家庭用の冷蔵庫でも急速冷凍機能がついた機種があればそこでやると効果的で、自分も今はそうしています。
家庭用の冷凍庫はMAXー18℃となり、ここでそのまま冷凍させる事を緩慢凍結といいますが、アルコール(お酒)を用いればこの中でも急速冷凍が代用できます。液体は熱伝導率が気体の20倍で、アルコールは凝固点が低く、100%でー114℃。
アルコール濃度と凝固点は以下となります。
タイプ | 度数 | 凝固点 |
ビール |
3~10% | -2℃ |
ワイン・日本酒 | 8~14% | -5℃ |
焼酎・洋酒 | 20% | -7℃ |
泡盛 | 32% | -23℃ |
ウイスキー・ウォッカ等 | 40% | -27℃ |
つまり家庭用の冷凍庫では泡盛以上の度数で凍結する必要があります。真空状態で凍結するのが良いですが、真空包装機がない場合でもジップロックで液体に付けて空気を抜けばOKです。つまりはこんな感じですね。
もちろん肉は冷蔵庫で温度を下げておいて、アルコールは冷凍庫でキンキンに冷やしておく必要があります。アルコール量は多ければ多いほどよいですが、何度も使いまわしているとアルコールが飛んで凍結していくので重しを入れてフタをする等は考えた方が良いでしょう。
緩慢凍結でラップしてるだけだと持って1年もたないですが、これだと2~3年後でも美味しかったです。
まぁそうなる前に食べる方が良いのですが・・・。狩猟の技術が上がれば保存と消費が問題になってくるので、気持ちよく捕獲する為にも在庫はならべく循環したいもんです。
関連情報
ハンターが作るジビエ肉のペットフード|faveur(ファブール)
ジビエ肉のペットフード専門店「FAVeUR!」では、大分県内でオーナーが自ら狩猟によって捕獲した命を無駄なく頂く為に、
解体・精肉・製造・販売を一環し、狩猟の持つ純粋さを伝える為、「シンプルで丁寧に無理なく」をモットーに運営しています。
栄養価が高くヘルシーな究極の無添加ペットフードを、ぜひお試しください。
屋号 | カミタケ商店 |
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