faveur(ファブール) ジビエ肉のペットフード専門店「faveur」では、「獲って・作って・売る」をモットーに、大分県の山村でオーナーが自ら狩猟で獲った猪や鹿などを加工したチップを始め、アバラやセボネといった骨まで余す事なく利用して、様々なアイテムを製造・販売しております。栄養価が高くヘルシーなジビエフードを、ぜひお試しください。

レザー(革)を作ろう!|皮を革に鞣してクラフトを楽しむ

レザー(革)を作ろう!|皮を革に鞣してクラフトを楽しむ

 

鹿皮

 

 

レザーって高級感があって、質感も良く、なんだか凄くかっこ良い。

バッグや手袋、靴や洋服や、色んな部分のなパーツとしても使われ、日常的にもよく見られます。

しかし、元々は動物の皮膚だったという事を想像できるでしょうか?

 

 

 

レザー(革)ってそもそも何なのか?

 

革ジャンとかレザークラフトなど、レザーに関連するワードって横文字率が高いので、なんとなく外国から来た感じがプンプンしますが、日本にも1000年以上の革文化があって、代表的な兵庫県の姫路や東京都の墨田区など、分業化して今でも地域として産業が成り立っている所もあります。

 

レザーは和名で革と呼ばれ、原皮(ゲンピ)という冒頭の写真のような動物の皮の毛を抜いたり、余分な不純物を取って、鞣(ナメ)す事で革になります。家畜の(牛・馬・羊・豚)は食用としてお肉を取る為に解体する時は副産物として剥いだ皮が出ます。この原皮を一般的にはタンナーという皮鞣しをする業者が処理して鞣したものが革(レザー)です。

 

どのようになるのかは動画を参照下さい。

 

革にも動物の種類や鞣す方法によってもそれぞれ特性があり、用途によって材料としては選ばれる種類が変わります。

(革の種類・内容についてはこちらを参照下さい☛革の基礎知識 革の種類と特徴|TIME&EFFORT

 

動画ではクロムという重金属を使用し、ドラム鞣しという方法で大型の設備で大量に原皮からレザーを作っており、現代ではこの方式が一般的となっていますが、もちろん1000年前からこうやって革にしていた訳ではありません。では皮を革にする為に必要な「鞣す」という事をもう少し掘り下げてみましょう。

 

 

革が柔らかくなると書いて「鞣す」と読む

 

動物の皮は剥いでそのまま放置しておくと腐っていきます。腐敗の原因となる水分を抜く為に乾燥させると、板のように硬くなります。こういった皮の持つ欠点を取り除く事、性質を変えてやる事を「鞣す」と言います。鞣されていないのを「皮」。鞣したものを「革」と読んで区別しています。

 

人類の布が出来る前の衣服が革なので、過去に色んな方法で試行錯誤して辿り着いて定着しているのが、クロムやタンニンという鞣し方法です。その他にも鞣す方法はたくさんありますが、要は「なめし剤」がコラーゲン組織と結合する事が「なめし」の正体です。なめし剤には以下のような素材が使われます。

 

代表的な鞣し剤が革に付与する効果

  熱収縮温度 耐熱性 染色性 弾力性 可塑性 充填効果 吸水性 色 調
クロム 77-120 × 淡緑味青
タンニン 70-89 × 黄 ~ 赤茶
合成鞣剤 63-88 ×~△ △~○ △~○ 黄味茶
アルデヒド 63-85 △~○ × ×~△ 白~黄
ジルコニウム 75-97
50-65 × × ×

◎非常にすぐれている。 ○すぐれている △普通 ×劣る

 

 

 

まずは原皮を手に入れる。

 

え・・・?無理やろ・・・と思われるかもしれませんが、知り合いや友人、また友人の友人にハンターがいれば意外と手に入ります。回りにいなくても農家さんハンターの知り合いがいる事も多いので、その系列で問い合わせると見つかりやすく、「皮を手に入れたい!」という要望には以外に協力的だと思います。

 

ハンターは解体した獲物は食肉用としてのみ活用している事が大半で、剥いだ皮は廃棄している事がほとんどです。基本的にはハンターは捕獲した獲物に愛着があるので、利活用したいという要望には、面倒臭さより「俺の獲物大切にしてくれ!」という人も多いので、気温が20℃以下の場合は、肉面に塩を揉み込んでもらうようにお願いしましょう。そうすれば腐敗しにくなり、必ず付いているマダニも死にます。捕獲した時に連絡もらって取りに行くか、そのまま梱包してもらって送ってもらっても大丈夫です。最終手段は自分がハンターになるという手もありますwww。☛ハンターって職業?趣味?狩猟との関わり方は自分次第。塩漬け期間は1~2週間が目安です。

 

まずは毛皮を作ってみよう。

 

自分が鞣した皮でレザークラフトをしたい!という気持ちも良く分かりますが、思い通りの革を作るには、時間と設備と経験も必要になります。自分も継続して試作中の為、家庭でもできる植物タンニン鞣しについては後日記事を書こうと思います。

 

今回は上で説明した鞣しの方法とは別に、アルミニウム鞣し(ミョウバン鞣し)という方法をご紹介します。この鞣し方法は擬似鞣しと言われ、クロムやタンニンといった永久鞣しとは違って、長時間水に漬けると溶け出して原皮に戻ります。しかし毛皮をDIYで作るには最適な方法です。

 

YOUTUBEの動画でやり方が上がっているのもほとんどこのやり方です。この毛皮はすぐ暖まり、保温効果が高いので、尻当てや椅子の座面、キャンプギアとしてのラグマットなどに良いです。自分もサーフィンの世界大会の観戦で、焼けるような夏の砂浜に立ち見しかできない人達の中、これを敷いて何時間もそこに自分だけ座っていました。

 

その他に木こりの人に頼まれてチェーンソーカバーを作成したりして大変気に入ってくれたようでした。

 

 

 

準備するもの

・残った肉を削ぎ落とすナイフや包丁

・袖が長い防水手袋があると便利

・原皮を水に浸す容器(材質は何でもOK)

・30l程度のビニール袋2~3枚(なるべく厚めのものを選び、色は何でもOK)

・中性洗剤(洗濯用洗剤)

・ミョウバン(焼きミョウバンは生ミョウバンを精製したものなので2.5倍程濃いと考えます)

     ネットやドラッグストアなどで購入できます。漬物を作る際に使ったりするので、

 食品コーナーにあったりします。

・塩

・乾燥させる時に貼り付ける板(1820×910)の板(塗装コンパネか針葉樹コンパネの9mm以上の厚みがお勧め)

・タッカーや釘

・サンドペーパー(#100と#240程度の布ペーパーが1~2枚あれば○)

・革用オイルをお好みで。(革用のクリームやミンクオイルなどでもOK)

 

工程1.除肉

塩漬けされた原皮を1日水に浸して柔らかくします。柔らかくなったら残っているお肉をナイフや包丁で綺麗に取り除きます。切れ味の良い刃物は皮に穴を開けてしまうのですが、その方がやり易いという器用なタイプの人もいますが、スクレーパーや、竹を割ってその断面でこそぎ落とすのもお勧めです。

 

皮剥ぎがうまいハンターは皮にほとんどお肉が残さないのですが、そんな人は稀なので、とにかく時間がかかる作業ですので気長に慎重にやりましょう。

 

工程2.フレッシング(洗う)

基本メッチャ汚れてるのと、臭いので洗いましょう。水に付けていた容器で洗濯用洗剤でザブザブ洗って下さい。泥が毛に入り込んでいるので、ある程度水が透明になる程度まで何度も洗って下さい。洗ったら日陰で水が落なくなる程度まで乾かしておきます。

 

工程3.鞣す

まず鞣し液を作ります。私は水1l(1kg)・ミョウバン200g・塩100g (10:2:1)の割合で20~30kgぐらいの個体まではこの分量で、40~60kgぐらいでは1.5倍の量で作っています。これをビニール袋に皮と一緒に入れて少し混ぜる意味でも揉み込みます。

このままならべく空気を抜いてこぼれないように結んで、ビニールを2重にしておきます。このまま日陰に2~3週間漬け置きにしておきます。夏場に忘れて漬け置きが長くなりすぎたりすると、腐ってダメになります。鞣されたかどうかを判断するには、皮をギュッと絞ってみて、濡れた雑巾を絞ったような感じになってると完了です。ブヨッとして跡が付かない場合は、濃度を濃くしてみたり、もう1週間置いてみたりしましょう。

 

工程4.繊維を断つ

鞣した皮を乾燥する前になるべく柔らかくしたいので、皮が持っている繊維を破断します。やり方としては肉面を机の角などに押し当てて擦ります。引っ張ったり叩いたりしてもOK。昔の人は噛んで柔らかくしていたようですが、現代人にそれはちょっと酷です。ビショビショの状態だと毛穴が緩んで脱毛しやすいので、半日程度日陰に置いてからの方が良いです。

私はこのような治具を作って押し当てています。この工程の後には少し皮がダラっと伸びているのが分かります。

 

工程5.乾燥

引っ張った状態で皮を板に打ち付けていきます。打ち付ける方法は釘やタッカーなどで引っ張りながら固定していきます。乾いた後で肉面を処理するので手前に向けて固定します。この状態になったらできるだけ風通しのいい日陰で1~2週間乾燥させます。

 

 

工程6.仕上げ

肉面の繊維がダマになっていたり、汚れていたり、塊になっていたりするので、そういう所は粗めのサンドペーパーで擦ります。やりすぎるとすぐ薄~い感じになったり穴が空いてしまうので適度に。その後全体を目が細かいペーパーで擦ります。釘やタッカーで固定していた端の方は乾燥でギュ~と縮まって硬くなっているので、そこはお好みでハサミでカットしましょう。最後にミョウバンは湿気で原皮に戻るので、それを避ける為と、より柔らかくする為に革用オイルをお好みで(私は猪のオイルを塗るようにしています。)

 

以上で完成となります。

 

 

おおよそですが、獲物を捕獲して皮から革になるまでに2ヶ月かかります。同じミョウバン鞣しでも、鞣し液の比率が違ったり、鞣し液じゃなくてミョウバンをすり込んだりと、人によってやり方が少し違います。私も調べたり、試行錯誤をしてこの方法になりました。今では、せん刃を使ったり、植物タンニン鞣しをしたり、アルカリ漬けにして脱毛したりしますが、これが鞣しの基本だと思います。

 

 

買う方が良い物が手に入りますが、作ったものの方が絶対大事にします。

大量生産大量消費が当たり前の世の中ですが、もったいないを美徳とするに日本の精神は失くさないでいたいもんです。

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